こんな文がジョークの中にありました。
Kevin erklärt es ihr.
・es 「それ」って?
・ihr 「彼女に」と誰のこと?
どちらもいわゆる「Pronomen 代名詞」と言われるモノですね。
ドイツ語では Fürwörter とも言いますが。
何か(つまり Nomen)に代わって言い換えています。Nomen est omen.
Pronomen と言っても、
Personalpronomen と
Possessiv-Pronomen と
Demonstrativ-Pronomen と
Indefinitpronomen とがあります。
また Relativpronomen もありますね。
更には Reflexivpronomen もあります。
要するに、有り過ぎ!?(笑)
■それは文法事項? それは習慣の為せる技?
Kevin erklärt es ihr.
ご覧の通り、es そして ihr という語順になっています。
Kevin erklärt ihr es. とは言いません! 書きません!
否、ちょっと待って下さい。言おうと思えば言えるでしょう。
でも普通はこう言いませんし、こう書きません。
飽くまでも es が前に来て、ihr が後に来ます。
ですから、○ → Kevin erklärt es ihr.
× →
なぜですか? と聞きたい人、知りたい人がいらっしゃるかも知れませんが、「それを知りたがってどうするのですか?」と逆に聞き返したくもなります(笑)。
文法書には親切に説明がされているかもしれませんね。
なぜ? 覚えるために? 何を?
「飽くまでも es が前に来て、ihr が後に来ます」ということを覚えるためですか?
覚えた後で確認するのですか?
ああ、確かに es が前に来ている、ihr が後に続いている、と。
最初からそうなっている筈なのに。
問題はどうやって覚えるかですよね、ね?
ドイツ語を正しく覚えて使えるために!
* *
「ドイツ語の動詞」に対応する人称代名詞の格として、もう何度も耳にしたり目にしたことと思いますが、
3格を支配するもの
4格を支配するもの がありますね。
「erklären は 3格を支配する」ということで ihr とか mir とか Ihnen とか 文中に登場、見られます。
bringen は?
gehören は?
geben は?
さて、それでは fragen は?
besuchen は? は?
どうしたら分かるのですか? 辞書に頼るしかないのでしょうか!?
多くのドイツ語文に当たっているうちに、つまりそうした動詞の使用例を見る度に、聞く度に、辞書に頼ることもなくいわば習慣的に覚えてしまうことも多々あり得ますね。
場を踏むとか言います。
この場合は、ドイツ語の場をたくさん踏む。でも地団駄を踏まないようにしましょう(笑)。
それともやっぱり文法書を紐解いて説明してあるのを読まないと落ち着かない? 納得出来ない? 気が済まない?
* *
頭で、理屈で先に覚えるのではなく、口で先に覚えてしまいましょ! 目で覚えても良いでしょう。
頭で覚えたいというのでしたら後からでも良いのでは。
つまり、ご自分の口で発音して何度か言ってしまえば、そのようにドイツ語文法的には正しく言えていることになるし、正しく書けるようになる事にもなるでしょう。
ドイツ語の場を踏む。
ゆっくり気楽に、ストレスなしに行きましょう。少しずつ場を踏むことで覚えてしまいますよ。
Ohne Streß! Streßlos! Los! Los!
追記:
今、Leo N. Tolstoj の Die Auferstehung を読んでいるところですが、このPronomen の出現順位について、
例証をもう一つ見つけましたのでご紹介して置きます。同書を読まれた方はそれぞれの Pronomen が何を指しているのかご存知でしょう!?
”Sie hat es ihm gegeben in der Meinung, es sei Opium", sagte der Kaufmann.
Sie とは誰のこと?
es とは何のこと?
ihm とは誰のこと?