ドイツ語文中に見出される名詞の数々。
どの一文をとっても名詞が見られる例が多々。
勿論、名詞ではなく動詞一つのドイツ語文一つだって見出されること、
日(または、火?)を見るよりも明らか。
Halt!
これは動詞でしょう? それとも名詞?
感嘆詞と称されている?
とにかく、一語で一文をなしている例。
Halt den Mund!
Halt、これは動詞。
Mund は名詞。冠詞が付いている。
ところで、Halt Mund! と言えるでしょうか、書けるでしょうか、
言おうとすれば言える、言ったとしても何も聞こえないでしょうが、
書こうとすれば書けるし、書けば書ける、実際見ての通り書いてしまっている。
いわば冠詞抜きでこの文を勝手に、実は意図的に、意識的に書き換えた。
さて、問題とは、ドイツ語文法上、
そうすることが許容されるものなのかどうなのか。
それは正しいドイツ語文なのですか、と舌の先に疑問文が出掛かる。
で、ドイツ語会話中に、そう言ってしまった、とする。
どうなるか、どうにもならないでしょう?
言ってしまったものは言ってしまった。
訂正は利かない。発したものは取り戻せない。
言われた相手は聞いてしまった。
意味も伝わるのでしょうか。
もしかしたら伝わらないかのように言われてしまったけれども、
伝わるかのように自分で反芻して了解するかもしれません。
正しい文でなかったとしても正しい文に訂正するかのようにして
了解してしまう相手かもしれない。直ぐにも反駁するかも。
つまり両者間ではドイツ語会話が成立してる。
間違った言い方がされていても意味は通じている、
いつもそうだとは言えないでしょうが。
意味が分からなければ、相手に問い返すのが会話というもの、
それがコミュニケーションというものでしょう。
* *
ドイツ語名詞には冠詞が付いていたり付いていなかったり。
意識的に付けたり、意識的に付けなかったり、なのか
または無意識にも、うっかり、付けたり付けなかったり、なのか
そんなことをしたりしなかったり、
そんなドイツ語学習者は私を含めて大いにあり得(う)る、と思う。
付くのか付かないのか、それが問題だ。
☆ ☆
冠詞としては定冠詞であったり不定冠詞であったり。
つまり冠詞にはこの二つのタイプがある。
初級ドイツ語文法での習得必須事項になっていますよね。
更には無関心であったり、
つまり”無冠詞”であったり、
いくつかの例が考えられます。
実際に生のドイツ語文中で検証してみることも出来るでしょう。
既に上で一例を出しました。
名詞には冠詞がつく。
でも冠詞が付かない場合もある。
ドイツ語文を観察していると、こう要約できるでしょう。
1.「定冠詞」が付く(または、付いている)名詞
2.「不定冠詞」が付く(または、付いている)名詞
3.「無冠詞」が付く(または、冠詞が付いていない)名詞
冠詞が付いていたり、付いていなかったりと、
何か一定の原則やら規則が背後には潜んでいるのでしょうか、
知りたいと思うかも。
そんな冠詞や無冠詞に関心がありますか。
無冠詞には無感心になれない。
冠詞が付いてない!
無冠詞!
常に、例外なく冠詞は付くものだ、だから冠詞と言う!?
と思い込んでいる、
と思い掛けずも少火傷する時もあるかも。”
”無冠詞”の使い方を知りたいものです。
どのように使い分けられるのでしょうか。
もう習得済ですか、
それとも習得中ですか、
それとも文字通り”無冠詞”には無関心ですか。
ドイツ語文作成者はドイツ語文法に精通していないのかもしれない。
うっかり の ど忘れ、または故意的に、または不注意にも端折ってしまったのかもしれない。
考えられること、
無冠詞でも十分に通用する、許容される場合がある。
”無冠詞”でしか使えない、いや、使える、そんな「名詞」もある筈。
☆ ☆
「名詞」とはそもそも何なのか、といったような根源的な?問い掛けが
ちらっと念頭を過ぎる。
「名詞」には大きく分けて、単数名詞と複数名詞がある。
その定義上、不定冠詞は複数名詞には絶対に付かないことは明々白々。
でも”無冠詞”は付くこともある、つまり複数名詞には冠詞が付かないことも有り得る。
”Buch”
1.単数名詞・不定冠詞付き → ein Buch
2.単数名詞・定冠詞付き → das Buch
3.単数名詞・”無冠詞”付き → Buch
4.複数名詞・冠詞付き → die Bücher
5.複数名詞・”無冠詞”付き → Bücher
"Buch" という名詞に冠詞が付いたり付かなかったり、
以上、五つのケースだけが考えられる。
冠詞または不定冠詞が付いているのを見ることで、
その”Buch”または ”Bücher”が 具体的に何を意味するかが分かる。
ちょっと問題にしたくなること、
3.の ”無冠詞”付きの Buch とは一体全体、何を意味しているのか。
この”無冠詞”付きの Buch は実に ”抽象的” と言えるようだ。
具体的なモノを意味しているのではなく、
目には見えない概念を表現していると思える。
具体性を持たないモノには”無冠詞”が付くのが普通なのだろう、と推理したくなります。
具体的な質問が発せられます。
具体的な答えが返ってくるでしょう?
抽象的な質問も発せれることがあるかも。
それに対してはどのような答えが返ってくるものでしょうか。
"Wo ist ein Buch?"
- Welches?
"Wo sind die Bücher?"
- Wie meinst du? Die Bücher in der Bibliothek?
Ja, sie sind in der Bibliothek.
Oder meinst du die, die ich mir von dir geliehen habe?
Sie sind natürlich in meinem Haus.
"Wo sind Bücher?"
- Welche? Bücher kann man überall finden, wenn du willst.
"Wo ist Buch?"
- Ich weiß es nicht. Vielleicht in deinem Kopf.
"Was ist Buch?"
- Eine gute Frage aber schwer zu antworten oder ist das eine philosophische Frage?
「家の前には庭があります」→ 冠詞はいかに使われるものなのか
ドイツ語「冠詞」「格変化」の強化書→ Amazon.jp ”無冠詞”という言葉は少なくとも一回は使われています。それについて詳しくは触れていません。が、とても勉強になる良い教科書(強化書)だと思います。
☆ ☆
無冠詞にすべきか、それとも何等かの冠詞を付けるべきか監視すべく、
ドイツ語文中の名詞の前についている冠詞、または不冠詞を取っ払って見てください。
無冠詞にして見てください。そしてその文を注意深く読み返してみてください。
無冠詞のままで意味が通じると思われたり感じたりすることがきっと出てくるでしょうね。
どうして無冠詞ではいけないのか、
どうして無冠詞でなければいけないのか、
体得できるようになりたいですよ、ね。
Duolingo からの例文を借用。試してみますか。
既に名詞の前の冠詞類は端折ったままで書き下してあります。
冠詞または不定冠詞を名詞の前に加えて意味の通じるドイツ語文にしてみましょう。
1.Junge hat Wurm bentuzt, der riesig war.
2. Freund meiner Cousine macht Lehre bei Bank.
3. Cousinen ihres Freundes sind zu Besuch gekommen.