今日(2015年3月23日)の、地元ドイツ語日刊紙、第一面を見たら、
ドイツ語単語複数形が大きな見出しとなって目に飛び込んできた。
オーストリアと言ったら何でしょう!?
食べ物をすぐに連想する人もいるでしょうね。
オーストリアのスポーツと言ったら何でしょう!?
はい、スキーでしょうね。
そうそう、ドイツ語単語複数形の話をする筈だったのに、
突然、初っ端から脱線してしまいました。
そう、紙の同紙の第一面は以下のように書かれていました。
Unsere Skikönige

Skikönige は複数形であることは了解できますよね。
またも重箱の隅をつっつくようなことを訊きますが、
これは「男性」複数形? 「女性」複数形? それとも単なる複数形?
この複数形単語から、推定されること。
1.女性だけの複数形ではない!
2.男性の複数形(少なくとも、二人以上)と考えられないこともない。
単数形を考えて見ましたか?
単数形 は König
これは「男性」単数形。
「女性」単数形は Königin
König と Königin
もう一度、複数形に戻って見ます。
単数形 König の 複数形は?
単数形 Königin の 複数形は?
単数形 König の 複数形は Könige でしょう?
単数形 Königin の 複数形は Königinnen でしょう?
だから、見出しに Unsere Skikönige と記されているのを見ると、
あはあ、これはわがオーストリア国のキングたちだぞ、
と男性キング少なくとも二人以上を賞賛している、褒め称えているんだな、
と思えないこともないでしょう?
ところがですね、今回の見出しの下にはオーストリア国のスキーヤー2人が一緒になって写っています。
一人は男性、もう一人は女性。上の写真の通りです。
男性のスキーヤーは Marcel Hirscher
女性のスキーヤーは Anna Fenninger
つまり何を言いたいかと言うと、Unsere Skikönige は男性二人のことではなかった!
男性一人、女性一人を一緒に複数形として Unsere Skikönige と記されていた(または、いる)、
となりますよね。
結論として、 Unsere Skikönige は男性のみという複数のときもあれば、男性も女性も含んだ複数形で
あり得る(ようだ)と少なくとも二通りが考えられるようになっている(ようだ)ということが分かる。
女性だけだったら Unsere Skiköniginnen と記されていたことでしょう。
いやいや、ちょっと待った!
ちょっと待て。慌てては誤解する。
その国の König やら Königin は一時期、それぞれ一人に決まっているでしょう。
その国に König が複数(少なくとも二人以上)いる Könige とは考えられても、常識的にありえないでしょう! 従的にその国を見ればいる(または、いた)かもですが。
その国に今日、Königin が複数(少なくとも二人以上)いる、”Unsere Königinnen”とは常識的にありえないでしょう!?
王様、女王様はその国にとっては一人づつに決まっているでしょう?
男性一人、女性一人 とハッキリしているのだから、
Unser Skikönig Unsere Skikönigin といった見出しが出ていても良かったかもしれないですよね。
でも、そうではなかった。
同紙の編集部はこの日本人式思考をしなかったようだ(笑)。
二人一緒にまとめて Unsere Skikönige と字数を減らした表記法を採用したかのようですね。
Könige といっても、男性オンリーとは限らないということがこれでわかったでしょう。
男性オンリーだぞえ、とドイツ語文法に厳しく詳しい人(ドイツ語文法 Fundamentalist?)ならば
そう捉えたくなるのでしょうか。
一国にキングが時期を同じうして複数ということも常識的に考えると、実際にはありえない。
ということで、ドイツ語文法的にはあくまでも男性複数形の Könige であったとしても、
実際のその中味は常に男性オンリーだとは限らない。
もしかしたら女性も含まれている。
と言うか、女性も含めて男性複数形を使っている、らしい、と思えてきますよね。
男性女性混合複数形として「男性複数形」に代表させている。
ところで、 Skikönige と記すのか、それとも Ski-Könige と記すのか。
10年以上前の、ベルリン発の記事のタイトルには後者になっている。ドイツ式?
今回の、オーストリア発の記事には既にお分かりのとおり、前者になっている。オーストリア式?