ドイツ語には変な「返事」の仕方がある!? ?
ドイツ語で「はい」は? Ja
― はい。
「いいえ」は? Nein
― はい、いいえ。
さて 、Doch という「返事」を先ずはご紹介しましょう。
Doch ええ、 否定的質問を「否定」するときの答え方
返事を要求する質問に対する答えには、
「Ja」 か 「Nein」といった二者択一。二つのうち一つ。
中間などはない。
日本人の「はい」とも「いいえ」とも取れる、または取れない、
そんな返事の仕方はないのです。一応。
All or nothing といった判断、決断を常に求められている。
Ja と言っておきながら、
後で直ぐに Nein などと気が変わったような返事をすると信頼されなくなってしまう。
狼がやってくるぞ、やってくるぞ、
と何度か叫んで人々が慌てているのを見て喜んでいた少年も味をしめて(?)
何度かそんなことを繰り返していると人はもう信用しなくなってしまう。
ドイツ語では Ja か Nein か Doch の三種がありますが、
質問そのものが肯定的質問か、それとも否定的質問かで、答え方を変える必要があります。
具体例、以下の通り。
まず、肯定的質問の場合
Hast du den Salat gewaschen?
サラダを洗ったの?
"Ja, ich habe ihn gewaschen."
はい、洗いました。
"Nein, ich habe ihn nicht gewaschen."
いいえ、洗いませんでした。
つぎ、否定質問の場合
Hast du den Salat nicht gewaschen?
サラダを洗わなかったの?
"Doch, ich habe ihn gewaschen."
いいえ、洗いました。
"Nein, ich habe ihn nicht gewaschen."
はい、洗いませんでした。
Dcoh がここでは「いいえ」です。
Nein がここでは「はい」です。はい。
いいえ、ではありません、はい。
要するに、質問形式が肯定であろうと否定であろうと、
事実として「洗っていない」ならば、Nein と答える。
事実として「洗っている」ならば、
肯定的質問に対しては Ja
否定的質問に対しては Doch
ドイツ語の質問文を日本語に翻訳していると、
答えるのに混乱を来たします。
日本語に翻訳せず、ドイツ語文のまま理解する必要があります。
* *
Achtung!
Achtung!
Achtung!
最後に、ちょっと、新種の返事について。
大いに流行っているとは言い切れませんが、
最近、わたしも経験しました。
上で ”Ja”, ”Nein”, ”Doch” が返事の仕方だと書きましたが、
最近、ドイツ語圏でも日本語的発想風(?)の返事の仕方を聞くようになりました。
見るようになりました。
肯定質問に対して、どっちとでも言えるような答え方を用意するようになったようです。
Hast du den Salat gewaschen?
サラダを洗ったのか?
”Njein”「いいえはい」
ドイツ語発音は敢えてカタカナで書くと
ニヤイン。
ニヤイン。
ネコの鳴き声ではありませんので、混同しませんように、ニヤイン。
ちょっと発音し難い、ですね。
発音してみましたか?
まだ?
やってみてください。
誰も見ていません、聞いてもいません。
ニヤイン
ニヤイン
Njein
つまり、Ja でもあるし、Nein でもある、らしい。
肯定でも否定でもある。
イヤン、いや、ニヤイン。
そんな返事の仕方がいつから生まれるようになったのでしょうか。
人(質問をした人)をちょっと小バカにしたような返事が返ってくるとは!
それともことばで遊んでいるのか。
そう、遊んでいるのだ、とわたしは受け取りました。そんな雰囲気がある。
ちょっと気取っているとも思いました。
態度をどっちにするか決めかねている。
もったいぶっているのかも。
Hast du den Salat gewaschen?
サラダを洗ったの?
Ja! ――
どうして Ja! なのか。
水でちゃんと洗ったから、Ja かも。
Hast du den Salat gewaschen?
サラダを洗ったの?
Nein! ――
どうして Nein なのか。
洗ったには洗ったが、泥がまだ付いたままのところもある、
ということでは洗ったことにはなっていない、
といことで Nein かも。
そんなに厳密には考えられませんが、ね。
Hast du den Salat gewaschen?
サラダを洗ったのか?
Ja! und Nein!
だから、二つ一緒にまとめて Njein とか。
質問に対する答えには、常に Nein か Ja がある。
どうして Nein であると同時に Ja でもあるのか? 矛盾している。
いえいえ、矛盾していないようです。
返答者の頭の中では二つに分けている。
両方を加味した返事として
”Njein”「いいえはい」 と言う。
Njein と言った人には何かはっきりと断定出来ない、または煮え切れない何かがあるようです。
もっと詳細に聞く必要があるようです。
両方を加味した返事をした人自身は、
それぞれについて説明を求められるであろうということは心得ている筈です。
だから Njein と言っただけで後の説明が続いて来なかった場合、
「どうして Neinなのですか」と聞き返す必要があります。
また「どうして Ja なのですか」とも更に聞き返す必要があるでしょう。
それぞれの説明に納得するかしないか、
それは質問者自身の判断に任されていることでしょうね。
Unverbindlich testen: Ein Monat Sprachkurs (gymglish)→